諏訪 敦(すわ あつし、1967年 - )は、日本の画家。現代美術家。武蔵野美術大学造形学部油絵学科 教授。

来歴

1967年北海道生まれ。1994年に文化庁派遣芸術家在外研修員として2年間スペインの首都マドリードに在住し、現地でエントリーした第5回バルセロ財団主催 国際絵画コンクール にて大賞を受賞し、画家としてのキャリアをスタートさせた。

精緻な描写力を発揮して、傷つき易い身体の有限性を感じさせる写実的なヌード画で認知を広げてゆくが、帰国後の1999年に暗黒舞踏の先駆者、大野一雄と大野慶人の親子を長期取材したシリーズ作品の制作を開始。これまで取り組んでいた絵画の原点回帰としての写実絵画の追求から、取材対象の選択とプロセスそのものにウェイトを置いた制作への展開をみせている。

TVのドキュメンタリー番組や、あるいは劇場映画として紹介されたことで、たった1枚の絵画を仕上げるには過剰ともいえる、半ばプロジェクト化された制作プロセスの特異さは広く知られるようになった。

特に、2011年に NHK『日曜美術館』で放送された「記憶に辿りつく絵画~亡き人を描く画家~」への出演は一般層に及ぶ反響をよび、追って出版された作品集『どうせなにもみえない 諏訪敦絵画作品集』(求龍堂)は、美術家個人の作品集としては異例の売り上げを記録している。

豊富な取材量に裏付けられた絵画は、ときに取材対象に内在する歴史的問題を浮上させることがあり、2016年4月、NHK『ETV特集 忘れられた人々の肖像 ~画家・諏訪敦 “満州難民”を描く』ではポリティカルな一面も披露することになった。

書評や芸術批評などの文筆活動も展開しており、2020年にはアートユニット「芸術探検隊」を、猿山修、森岡督行とともに結成。芸術新潮誌上で最初の探検報告として静物画をとりあげている。

人物

1994年に文化庁派遣芸術家在外研修員 (2年派遣 スペイン・マドリード在住)。

東京藝術大学、東北芸術工科大学、広島市立大学などで、非常勤講師や准教授を歴任。

2013年より 2018年まで、国吉康雄作品模写プロジェクト代表(公益財団法人 福武教育文化振興財団 助成)。

2013年より 財団法人山本美香記念財団 評議員。

2015年 光村図書出版 高等学校美術教科書 平成27年度新版 『美術3』にインタヴューと図版が収録。

2018年より 武蔵野美術大学造形学部油絵学科 教授。

単著による出版物

  • 2005年 08月 『諏訪敦 絵画作品集1995-2005』 求龍堂   ISBN 4-7630-0518-9 C0071
  • 2008年 01月 Benrido collotype Atelier Fine Art Series. 「半眼」(限定300部) 便利堂
  • 2011年 08月 『諏訪敦 絵画作品集 どうせなにもみえない』 求龍堂   ISBN 978-4309907574
  • 2014年 05月 『Sleepers 安睡者』 Kwai Fung Hin Publishing House  ISBN 978-988-15622-7-2(日本未発売)
  • 2017年 10月 『諏訪敦 絵画作品集 Blue』 青幻舎   ISBN 978-4-86152-646-6 C0071
  • 2023年 01月 『諏訪敦作品集「眼窩裏の火事」 Suwa Atsushi:Fire in the Medial Orbito-Frontal Cortex』 美術出版社 ISBN 978-4568105537

展覧会

個展

グループ展

参考文献、メディアほか

関連項目

  • スーパーリアリズム
  • アントニオ・ロペス・ガルシア
  • 佐藤和孝
  • 大野一雄
  • 大野慶人
  • 小谷忠典
  • 古井由吉
  • 柴田亜美
  • 猿山修 - デザイナー

外部リンク

  • 諏訪敦公式サイト
  • 成山画廊
  • 諏訪敦 (@suwakeitai) - X(旧Twitter)
  • 諏訪敦 (@suwa_atsushi_artist) - Instagram

脚注


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諏訪敦作品集「眼窩裏の火事」 / 諏訪敦 Natsume Books

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